忘れてしまう物・・・・

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しかし引き受けたのは良いが、色々解らない事だらけだ。 「とりあえず、練習の場所には屋上を使おうか?」 「志穂は信ちゃんに任せるよ」 任せてもらうのは良いが、練習方法が解らない。 俺の知っている限りでは演劇部の友達なんて・・・・ 「何してんの? 桐谷君」 ・・・・・いた。まるでカモがネギを背負って来たぜ。 「ん? 誰かと思ったら麻奈じゃあないか、実は文化祭で出し物が演劇になったんだ」 「ええっ!! 演劇って誰がやるの!?」 「俺と志穂がメインだ」 コイツは柳沢麻奈。中学時代の友達だ。 「演劇解る人なんて居るの? しかもまた、なんで桐谷君と志穂ちゃんがメインなの?」 聞かれても困る。 「てな訳で、頼む! 指導役をやってくれ!」 しかし、他のクラスに頼らなければいけない状況って一体・・・・・。 「はい! 練習開始」 何だかんだで、結局は手伝ってくれる事になった。 「わりぃな麻奈、手伝ってもらって」 「別に好きだから気にしないでよ」 「やっぱり持つべき者は友だなぁ」 麻奈は、中学時代の時から色々助けてもらっている。 麻奈は俺の助けを断った事が無いくらいだ。 「しかし、疲れるもんだな。声を出すのは」 「まぁ、最初のうちだけだから」 最初のうちだけと言っても、なかなか辛いものがある。 「じゃあ、今日の練習はここまでね解散~」 「助かったよ麻奈ありがとう」 「べっ、別に良いってば! 私も演劇好きだしそれに・・・」 「なんか言ったか?」 「何も無いよ!! じゃあこれで私も帰るね」 ダッシュで帰って行った麻奈を見送ったので俺も帰る事にする。 「帰るぞ、志穂」 「わかったよ~」 家に帰ると、一目散にベッドに入って眠りに落ちた。
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