忘れてしまう物・・・・

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「はい! 練習始めて」 学校の体育館の中で麻奈の声が響く。 「しかし、なんで土、日と練習があるんだ」 などと嘆いているクラスメイトもいる。 「私は、貴方と共に歩みたいのです!!!」 「ならん!! 我等の行くべき場所は死地なのだ!! 其方(そなた)を行かせる訳にはいかん!!」 「何故私の気持ちが解らないのですか!! ここに残る位なら私は死んだ方が良いという事を!!」 「其方を死なせる訳にはいかないのだ!! 解ってくれ………」 「待って!! 待ってください!! 何故、何故なのです………」 「はい! カット!」 麻奈の合図と共に練習が止まる。 「二人共凄いね! 始めてとは思えないよ!」 「そうか?」 「ありがとっ麻奈ちゃん。私は信ちゃんと一緒ならいくらでも、練習に励むよ」 「やっぱり、恋人同士は息が会うね」 「からかうなよ」 「私は、そう思ってるよえへへー」 「じゃあ休憩入れるね」 とりあえず昼休みになったので俺は屋上に行く事にした。 「そういえば、志穂がいないな。何処に行ったんだ?」 まぁ探しても居ないので屋上に向かう事にする。 屋上に続く階段を上がっていくとドアの奥から声が聴こえる。 「志穂か?」 ここに居ても仕方がないので、屋上のドアを開けた。 ギィー 大きな古びたドアが軋みをあげて開いた。
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