第一章 星の人

2/3
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
空。 この星、地球は空に包まれている。雲が浮かび、鳥が飛び、人々が夢を描く空。 ソラは自分の名前ということもあって空を眺めるのが好きだった。日課というほど暇さえあれば空を見上げる。ぼんやりと空を見ていると自分がとてもちっぽけに思えてくる。その感覚がソラは好きだった。 「………――――ふぅーぃ…」 今日の授業も退屈だな…といつも通り窓から空を見上げていた。雲が流れる様子を眺めながら思う、空を自由に飛びたいと… 「おい!ソラ!ソラってば」 隣の席のクラスメートに呼ばれてソラは我に返った。 「お前問題当てられてるぞ!ここ、70ページの問4」 「えっ…マジかよ…」 全くの不意を突かれてパニック状態のソラに先生の助け船が入る。 「まーた授業中によそ見してたな?ったくしょーがないやつだ…」 「あっ!はい先生!!」 「なんだ?もうお前に当ててるぞ」 「この問題の答えは―…」 この後数十分ソラと先生のやりとりは続いた。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!