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本日最後の授業の終わりを告げるチャイムが鳴り、生徒たちはちらほらと下校を始めた。
「じゃあなソラ~。補習がんばれよっ」
「あんだよチクショー!代われっ!!」
「やーだねっ。バ~イ」
ソラは先程の授業の先生に言われて放課後の居残り授業を受けることになったのだ。
「先生遅いな…。会議か?」
ソラはとっとと補習を終わらせて帰りたいので先生を呼びにいくことにした。
ソラの教室から職員室に向かう途中、人通りの少ない廊下で一人の生徒がカツアゲされていた。
「オレたち今日ゲーセン行きたいんだけど金なくてさ~」
「ちっと恵んでくれよ~」
お決まりのカツアゲ台詞だった。見るからな不良にカツアゲされている眼鏡の生徒。
「も…もう僕だってお金ないよ…。他の誰かに借りて…」
これまたお決まり。そんなやり取りを遠くから見つめていた。
くだらない…。
ソラは幼いころから"傍観"の立場にいた。
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