死にたがりビリー。①

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「ほら、行くわよ」 晴れ渡った空。 僕は毎日、杏ちゃんと一緒に小学校へ行く。 もちろん、悪の魔の手から杏ちゃんを守る為だ。 「ただいまー」 綺麗な夕焼け。 僕は毎日、杏ちゃんと一緒にお家へ帰る。 ……今日も悪の組織は現れなかった。 ビリーは超高性能ロボットでした。 しかし、杏ちゃんと暮らすようになってから、そのスペシャルな機能は何一つ使われていません。 「二人ともおかえりなさい。あ、ビリーちゃん。今日カレーにしようと思うんだけど……タマネギ、またお願いして良いかしら」 ……いえ、両手に備え付けてある純粋なロンズデーライトで作られたナイフだけは、野菜を相手にのみ使われていましたけれど。 とにかくこの国はとても平和で、どうしようもなく平和で、そしてとんでもなく平和だったのです。image=425006641.jpg
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