序章 魔女

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「リースブルーを呼んだ?」 牢屋の中にはこの男しかいなかった。これは絶対に合っている。 けれども、その少女は物理法則を無視して、牢屋の中に存在、正しくは入り込むことができた。 蒼いとんがり帽子に、蒼いマント。金色のツインテールの髪に、黄色いワンピース。 そして、蒼い宝石がはめ込まれた杖。 気がつけば、ちょうどベッドに座り込んでいたその少女は、男を背後から見てにやりと笑った。 「リースブルー。殺してくれ。実刑なんて待てないんだ」 リースブルーと呼ばれた少女は深いため息を吐くと杖を男に向けて言った。
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