赤い指輪の魔力

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      俺は、何をしているのだろう。 目の前には不気味な雰囲気を漂わせている木製の旧校舎がそびえ立っている。 鍵はかかっておらず、風が吹く度に窓がガタガタ…音を立てる。 「…うん、あ~…これは…」 …不気味だ…!!!!! だが後には退けない。 俺は、確かめる必要があるからだ。 赤い石のついた指輪を太陽にかざして見つめる。 きらきらと輝く指輪は、どこか異質の物に感じる。 意を決して、俺は旧校舎へと入っていった。 ギシ…ギシ… 歩く度に軋む廊下。 埃っぽい教室に掲げられたプレートを見上げながら、つき当たりの階段を登る。 暫く歩き、二つ目の階段を登りきった時【第一音楽室】 そう書かれたプレートが見えた。 ほっと胸を撫で下ろす。 「じゃあ、この隣りか……ん?」 隣りの教室のプレートを見ると、【心霊探偵部】と書かれたプレートが掲げられていた。 まだ新しい。 「……心霊…探偵…部…?」 生唾を飲み込み、俺は扉を開けた。 扉を開けた瞬間、鼻先には人体模型。 「…お客様、ですか?」 人体模型の飛び出た目玉がキョロリと動いた。 「ぎっ…」 「ぎ?」 「ぎやゃゃやあぁぁぁあああッッ!!!!!!!」 俺は情けない程の叫び声をあげて尻餅をついた。 腰が抜けて逃げ出す事も出来ない。 「このビビリが」 人体模型の後ろから、ひょっこりと顔を覗かせる少女。 俺の前で仁王立ちになり、腕を組んで見下ろしている。 「そんな腰抜けでは先が思いやられるです」 そう言って爽やかに笑う少女。 身長は140くらいだろうか、腰くらいまである黒髪に色白。 メイド服を纏っている。 そんな謎めいた少女に手を引かれながら、俺は遂に【第二音楽室】へと足を踏み入れた。 ・
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