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「おい……ハル?」
「さすれば我が求めし汝の力、我が言葉によって……」
呼び掛けても詠唱を止めません。
魔法使いがこの状態になると、テレパシーも通じません。
無心と言われる状態らしいです。
たとえ悪戯しようが、ひっぱたこうが止まりません。
誰からの干渉も受け付けないのです。
「もうっ、めんどくさいなぁ。」
僕は意識を、ハルの周囲の空間に集中させます。
そして右腕をその空間に向けてかざし、力を右腕に集中させます。
ハルの周囲の空間が、まるで陽炎の様に歪みだしましたら、一気に力をその空間に向けて放ちます。
見事に、その空間が消えました。
テレキネシスとテレポートの併せ技って奴ですね。
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