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「ハワード教授が!?」
大統領はつい大声を出してしまった。
「知り合いなのかい?」
「いやそんな昔からのつき合いがある人間では無いのだが、実は彼、この地殻変動のことを私に知らせた人物なのだよ」
大統領は驚きを隠せなかった。自分と面識のある人が、この機密情報をつかんだとは思いもしなかったからだ。
「しかし、いくらトムの知り合いだとしても、何らかの対処をしなければならない」
ジファー長官は淡々と述べた。
「あぁそうだな。ふつうCIAは、このような事態が起こったときに、どのような事を行うのかい?」
「程度にもよるが、・・・・・・暗殺を行う場合もある・・・・・・」
「暗殺だって!?そんなことがこの国で許されるのか!?」
「トムはまだ一期目だから分からないかもしれないが、暗黙の了解で許されているんだ。何年か前にワシントンで起きた、クリーク上院議員の事故死を覚えているかい?」
「あぁ覚えているとも。確か、ホワイトハウスで行われた大統領と上院議員の親睦晩餐会のあとだったな。私もあの頃は上院議員をしていたから参加したんだ。クリーク上院議員が晩餐会からの帰宅途中にハイウェイの高架から、BMWの愛車とともに落ちて亡くなった事件だろ」
グリーマン大統領はハッキリと覚えていた。
そしてすぐに気づいた。
「まさかあの事故は暗殺だったのか?」
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