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俺は一瞬で振り向き、全力で走った。
さり気なく徒競走で学年一位の俺は、お母さんにこの足を貰ったことを初めて感謝した。
どうやら彼女の能力の射程は20m程度っぽい。
中、近距離に特化した能力のようだ。
もう、この際、ありえないとか、科学で証明できないとか、そういう考えは捨てる。
常識を考えていたら、常識の範囲内でしか行動できないから。
などと考えていたら、誰かとぶつかった。
「大丈夫ですか!?」
俺は急いでいるんだ!
早く起き上がれ!!
「あいたたた……。あ、お兄ちゃんだ。探したんだよ?」
なんだ、コイツかよ!
コイツの名前は仲島 美音(ナカジマ ミオン)。
13歳。
俺の妹だ。
自分でいうのもなんだが、コイツは美少女で、告白とか結構されてるらしい。
まぁかなり可愛い。
滅茶苦茶可愛い。
シスコンサーセンwwwwww
「美音、さっさとどっか行け!」
「お兄ちゃん、刀女に追われてるでしょ」
……コイツ、なんでアイツの事を?
「もしかして、刀女って、でっかい刀持ったポニテの姉ちゃん?」
「それ以外に誰がいるって言うのさ」
「アイツお前の知り合いなのか!?なんなんだアイツは!!」
「能力狩りをしてるんです」
美音の変わりに、さっきの刀女が答えた。「………ッ」
終わりだ。
仮に俺が逃げ切れても、美音は運動神経が悪い。
悪いな美音……。
お兄ちゃんが守ってやれなくて。
「ま、お兄ちゃん。ここは私に任せて!」
美音は無い胸を張ってそう言った。
………は?
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