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夜も、かなり更けてきた頃。
月が明るい真夜中は不気味な位空が美しい。
覆うようにベールのようなぼんやりした光の余韻が月を取り巻いている。少し距離を置いたように光る星がまた乙なのだ。
隣の部屋からはスースーと規則的な寝息が聞こえる。これは沖田のもの。
昼から夜まで騒がしかった分、疲れて早く眠るだろうと思っていたのに、いざ布団へ潜り込んでも眠りは浅くて、結局目がさえしまったハルカは縁側に座り込んでいた。
「起きてるの?」
こんな時間に寝ないんだから、身長も伸びないね。そう言ってどこから持ち出してきたのか、梅酒を片手にふらふらやってきた斎藤がハルカの隣に座り込んだ。
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