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「地上にいる限りは……」
「うん、治らないだろうね」
「早く近藤局長に会わせてあげたいです」
「うん、そうだね」
「早く。近藤局長に、早く……っ、は、やく……」
「……ごめんごめん。泣かないで。本当に泣き虫だね。眠れない日にいつも泣いてたわけ?」
はぁ、とため息をこぼして、下を向いたまま涙をこぼしそうになるのを堪えているハルカの頭をガシガシ撫でた。
「違います。ま、まともなこと斎藤さんが言うから……」
先程まで竹刀で叩かれていた良い大人ではなく頼れる人に見えたからこそ、日々心配していたことに真正面から向き合って、正直に感情を吐き出した。
眠れない時に、ふとした時に、苦しそうな声を聞くことがいくらかあった。
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