613人が本棚に入れています
本棚に追加
明くる日。
気持ちのいい晴れきった青空が蒸し暑い風と蝉の声と共に沖田を迎えた。
額はじんわりと汗をかいている。
「……」
昨日は、嫌な感情ばかり出てきてしまった。加えて、いつもより厳しい吐血に、体力も若干奪われた気がする。
「死んでいるのに……」
ぼそぼそ、不平をこぼした。
今、時刻はどれほどなのだろうか。最近は沖田も多少デジタル化してきたので、数字を並べた時計の方がわかりやすい気もしてきている。
11時25分。
一度時計から目を離し、改めてひっつかんで目の前に持ってくると、
「お昼前ですか?!」
覚醒してがばっと飛び起きた。どうやら本当に疲れていたようだ。
最初のコメントを投稿しよう!