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いやに自分を追いつめたくなる夢を見た気がする。
気づかない間にも、日々近藤に対する後悔や責任が混じり合って頭が混乱してきているのかなどと、沖田は感じた。
けれどそんな難しい思考を巡らせる隙も、彼の攻撃には打ち消されることになった。
彼。
「総!僕は、仲間を……甲子園に連れて行く……っおりゃ!」
びしゃっ
突然の狙撃は庭から。
投手は軽い円を描くイメージ……は持たずに、直球ドストレートで沖田の顔をねらう。
はじけた水風船が沖田に水をぶちまけるやいなや、投手はストライクを決めてのガッツポーズ。
「やばい僕天才!僕は…ハルちゃんを甲子園に――」
「っこの、くされ居候め!!」
「ガッ!」
つれていける!と斎藤に言わせることを待たずに、沖田がバットの代わりに目覚まし時計を投げつける。
朝から場内乱闘とは、なんて不快な目覚めだろう。
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