コップの中

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午前零時。 二本の針が重なった時計をちらりと見遣ると、僕はため息をついた。 具体的につらいことが起こったわけでも、これから起こるわけでもない。 ただ、日付が変わって新しい一日が始まることが憂鬱なのだ。 新しいとか明るいとか、未来とか希望とか、そういった類いの事物が、僕は吐き気がするくらい大嫌いだ。 いつからかなんてわからない。忘れた。昔の事なんて思い出したくもない。 それでも平等に、或は不平等に時間は流れ、現在が過去になり、未来が現在になる。 毎日休むことなく、新しい一日がやって来る。
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