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「あの時、お前に助言したのは、一刻も早く次元の精霊の力を目覚めさせたかったからだ、それ以外の何物でもない」
ひどく淡々とした口調で、ミザールは俺に告げた。
……そんな、じゃあやっぱりアッシュがミザールなのか。
「では、我はこの辺りで失礼させてもおう。
もう、目的も果たしたことだしな」
そう言い、ミザールは踵を返す。
「待てよ……」
俺とアラン、どちらからともなく同時に前へと歩み出た。
恐らく、アランも俺と同じことを考えているはずだ。
他のズィーベン・アストルムがいない今こそ、最強と目される黒のミザールを倒す絶好のチャンスだ。
それに、こちらは元ズィーベン・アストルムのアラン。
そして、俺はまだ断絶者が一回使える状態だ。
今を逃したら、こんな好機は二度と訪れないかもしれない。
俺は、刀を再び正眼に構え、切っ先をミザールの喉元へ向けた。
「何の真似だ? よもや、我と戦おうとでも?」
「あぁ、そうだ。今ここでお前を倒す!!」
刀を素早く振り、翡翠の衝撃波をミザールへと放つ。
だが、ミザールは剣の翼を羽ばたかせ、上空へと飛翔して次元裂破を回避してしまった。
次いで、アランが風と雷の衝撃波を放つが、見事な飛翔術でミザールは、その衝撃波を回避していく。
「十二翼の羽撃-ルシフェル・
ウィング-!!」
ミザールの背に広がる六本二対の剣が、一勢に飛翔する。
翼がなくなり、ミザールは再び断崖の上へと足を付ける。
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