第二章 背反

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「小僧……我が宿主よ。 そなたに問いたい。 そなたにとって強さとはなんぞ? 圧倒的な力か、決して折れぬ心か、そなたの答えを聞きたい」 強さとは何か、か。そんなのは決まってる。 「両方だ。力があっても、それを何の為に振るうかを見失っては、意味がない。 両方あってこそ、真の強さだ!!」 「フフフッ、いいだろう。そなたの答え、しかと聞き届けたぞ。 我が名はヒドラ」 そこで、オレの意識は途絶えた。 いや、正確には夢から覚めた、と言う方が正しいか。 オレがベッドの上で目を覚ますと、目の前に微笑んでいるアリアが立っていた。 「あ……れ? アリア、おはよう」 「きゃっ、 カ、カストル君。おはようございます」 オレが声を掛けると、アリアは何を驚いたのか、後ろに下がり目を右往左往させていた。 (何なんだ? 挙動不審だぞ、アリア)
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