第二章 背反

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ベテルギウスは城塞都市となっていて、都市の外周には高さ20mはあるだろう巨大な壁が聳え立っていた。 オレたちは、ベテルギウスの東西南北にある四つの門の内、南にある赤い門、通称【アンタレスの門】と呼ばれる巨大な門をくぐり、都市内部へと入って行った。 式典があるせいか、門では念入りに身体検査をされたり、持ち物検査をされた。 オレは背中に木剣を差していたが、木剣で暗殺するわけがないと思ったのか、取り上げられはしなかった。 アリアは、洋服店や小物店にしきりに目を向けて目を輝かせていた。 「ここがベテルギウスのメインストリート……通称“ミルキーウェイ”だ」 アンタレスの門から少し歩き、広い幅の通りに出ると、ヴィルゴが得意気に話す。 その大通り……ミルキーウェイを北に向かい、真直ぐ進んで行くと、大きな広場が見えてきた。 ここが、記念式典が行われる場所だ。 すでに、式典を観にきたのであろう、多くの人で賑わっていた。 露店も数多く出ていて、実に様々な品物が店頭に並べてあった。 木彫りの彫像や、銀細工のお皿、様々な宝石が色めき立つアクセサリー、百種類以上陳列された布材。
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