第九章 黄昏

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「カズトくん……そんなに、自分を責めないでください」 涙を袖で拭ったアリアが、そっと俺の手を両手で包む。 「そうだぞ、カズト。 誰も、お前を責めやしないさ」 「……ありがとう、二人とも」 不意に、溢れ出しそうになった涙を必死に堪えた。 俺たちは、神殿から出ようと出口に向かって歩き始めた──まさに、その時だった。 突如、百もの稲妻を束ねた雷鳴のような激音とともに、凄まじい震動が神殿を包み込んだ。 「うわっ! な、何だ?」 揺れは凄まじく、立っていることすら難しい程だった。 揺れが収まると、それを狙ったかのように、神殿が音を立てて崩れ始めた。 「くっ!! 急げ、急いで出口まで走るんだ!」 アランが叫び、俺たちは出口へ向かって必死に駆ける。 頭上から落下してくる神殿の残骸を避けながら、ただひたすら出口に向かって走った。 「っ……!!」 無事、神殿の外へと出ると、目の眩みそうな巨大な陽星が目に入った。 陽星は、血で塗りたくられたような真紅に彩られている。 俺は、その鮮血のように染まった陽星に、ゾクリと総毛立つ感覚を覚えた。 「とりあえず、全員無事か?」 各々の顔を見回しながら、アランが一人ごちる。 「あら、よく出てこれたわね。 こんなことなら、もっと爆弾の量を増やしておけば良かったかしら?」 小首を傾げながら、メグレズが断崖の上から言い放つ。
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