第一章 平穏

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ここは、『ヴェルギリウス』にある島々『スピカ』の中の一つ、〈ヴェガ島〉 その島で唯一の村、ポルックス。 ――――― ――― ― 鳥の囀り(さえずり)が、静かな朝の訪れを告げる。 オレは、この静かな朝が大好きだ。 一日の始まりが穏やかだと、それだけで、その日を穏やかに過ごせそうな気がしてくる。 ゆっくりと深呼吸をし、新鮮で透き通った朝の空気を目一杯体に取り込む。 先程までの眠気が嘘のように、意識が次第に覚醒していくのを感じる。 いつもと変わらぬ一日の始まり、これから起こる惨劇の色など、この時はまだ微塵も滲み出ていなかった……。
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