第一章 平穏

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オレは、朝食を摂るために部屋を出た。 部屋を出ると、良く見知った顔の人物が台所に立っているのに気付く。 腰まで伸びたシルクのような美しい黒髪の少女。 背は、お世辞にも高いとは言えない。 可愛らしい顔立ちのせいもあって、年齢よりも幼くみえる。 彼女の名はアリア、アリア・アクエリアス。オレの幼馴染みだ。 そして、オレの名は…… 「あら、カストル君。おはようございます。 今日はいつもより早いんですね」 「あぁ、おはよう。アリア」 アリアが優しく微笑んで言ってきたので、オレも笑顔で返した。 ……言われてしまったな。 ――そう、オレの名はカストル、カストル・ムリフェインだ。 瞳の色は、うっすらとした茶色。 髪の色も、目と同じく茶色だ。 長さは……まぁ普通だろ。 父と母は幼い頃に他界し、現在は、隣りに住むアクエリアス家がいろいろと面倒を見てくれている。
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