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オレは、朝食を摂るために部屋を出た。
部屋を出ると、良く見知った顔の人物が台所に立っているのに気付く。
腰まで伸びたシルクのような美しい黒髪の少女。
背は、お世辞にも高いとは言えない。
可愛らしい顔立ちのせいもあって、年齢よりも幼くみえる。
彼女の名はアリア、アリア・アクエリアス。オレの幼馴染みだ。
そして、オレの名は……
「あら、カストル君。おはようございます。
今日はいつもより早いんですね」
「あぁ、おはよう。アリア」
アリアが優しく微笑んで言ってきたので、オレも笑顔で返した。
……言われてしまったな。
――そう、オレの名はカストル、カストル・ムリフェインだ。
瞳の色は、うっすらとした茶色。
髪の色も、目と同じく茶色だ。
長さは……まぁ普通だろ。
父と母は幼い頃に他界し、現在は、隣りに住むアクエリアス家がいろいろと面倒を見てくれている。
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