第一章 平穏

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本当に、アリアや、アリアの両親には感謝してもしきれない。 もしも、アクエリアス家が隣りにいなければ、オレはどうなっていたか分からない。 「朝ご飯、できましたよ。一緒に食べましょう?」 「あ、うん。そうだね、食べようか」 オレは思考を中断し、アリアと一緒に朝食を食べることにした。 食事の中、オレはアリアと世間話をしながら食事を済ませた。 そのまま、オレは日課である武芸の鍛練に行こうと、壁に立て掛けてあった木剣に手を掛ける。 すると、アリアが少し曇った表情で聞いてきた。 「カストル君、今日の予定は?」 「明日のアルナイル女王陛下の即位10周年記念セレモニーを見るために、昼には大陸の首都〈ベテルギウス〉へ向かう、だろ? ちゃんと分かってるって」 オレは、木剣をひょいっと肩にかけると、未だに口を尖らせているアリアを尻目に、外へと出た。
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