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それからひとしきりツンデレラを笑ったあと、継母たちは出かけて行きました。
はじめのうちは
「静かになって清々したわ!」
などと言っていたツンデレラでしたが、日暮れ時に一人で豚の生姜焼きを食べていると、ふいに寂しくなってきました。
「なによ……
別に寂しいわけじゃないけどさ……
なにも一人で置いて行くことないじゃない……」
そんな、あまりにもツンデレ的な台詞を言ったからでしょうか。
小さな呟きを聞きつけて、ツンデレラの元へ突然、魔法使いが現れました。
「どうも、魔法使いです。
ツンデレラさん、あなたもお城の舞踏会に行きたいんですね?」
姿こそ魔法使いですが、ヘラヘラした笑いを浮かべた胡散臭い奴です。
イケメンなのは敢えて触れません。
ツンデレラもそう思ったようでした。
「…何よあんた……?」
それはそれは、冷めた声でした。
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