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ピリッ
ピリッ
ビリリッ
心地よい音。
紙を指で破ると発するこの音が,僕は大好き。
なんだか哀しいような,切ないようなそんな気分にならない?
紙が泣いてるように聞こえるのは僕だけかな?
昨夜,このことを彼女の早妃に話したんだ。
そしたら案の定僕は変人扱い。
怒った僕は,机の上に乗っていた写真を思いっ切り引き裂いてやった。
それは先週行った水族館での写真で。
仲良く寄り添う二人の間に深い溝が広がる。
僕の顔なんて半分切れてるし。
でも一度破り出したら止まらない。
完全に癖になってる。
ビリリッ
ビリリッ
ビリビリ…
気がつくと床には粉々になった写真の欠片が散らばっていた。僕はそれを見つめて一言。
「パズルみたいだね」
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