グッバイ、私達の平穏

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「京都京都京都京都京都ォォォオ!!」 「キタキタキタァー!!」 夏休みも間近に迫った七月のある日、昼日中の京都府某所にて変態約二名が突如奇声を発した。 一人は漫画から飛び出したような可愛らしい容姿とは裏腹に絶叫し、セミロングの髪を靡かす少女――明日香(あすか)。 もう一人は華の高校二年であるというのに小学生に間違えられた過去を持つショートヘアーのスーパー童顔少女――有希(ゆき)。 と―― それを遠く離れた木の陰からひっそりと見守る彼女らの友人六名。 ただただ六人の周りには沈黙が流れている。 「……ねぇねぇ、あの二人どうするの?」 そんな中、明日香と有希を含めた八人の中でも随一の頭脳と賞賛すべきまでの優しさを持つ宮(みや)が遠慮がちに訊いた。 宮の問いかけに放置を決め込んでいた五人もようやく変態二名の今後について喋り始める。 「ほっといたら精神異常者として病院に搬送されるね、間違いなく」 長く細い手足に170cmを超える八人の中でも一番の身長を持つ千秋(ちあき)は辛辣(しんらつ)かつもっともな考えを述べ 「誰か鎮静剤持ってないの……?」 「持ってたら逆に凄いわ!! てか使ったとしても手遅れだよ、多分」 千秋を縮小したようなスタイルに長髪の持ち主である裕子(ひろこ)は真剣な面持ちで尋ね、もち肌・肩までの長さのサラサラヘアー・メンバー唯一理系ガールの菊(きく)は突っ込む。 「菊に同じく。早期発見早期治療。あれは末期だからもう無理」 立てた親指に神々しいまでの素敵笑顔を添えて二人を見捨てた美緒(みお)。 身長は千秋ほど高くはないもののスタイルの良さは伊達じゃない。 また、内に秘めたる黒さとは裏腹に小動物及びモフモフなものをこよなく愛するという女の子らしさも持っていたりする。 「もうあの二人は放っておいて京都散策行く?」 友人がいないことにも全く気付かぬ明日香と有希を横目に、メンバーの中では一番小柄なマスコットキャラクター的存在である茉莉(まり)はそう切り出してみた。
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