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テストは終わり、その数日後。
「どうよ、これ!」
返してもらった全てのテストを晴也に見せつける悠人。
晴也は目の前に出されたテストに目を通す。
点数は、全て平均より少し上程度。
「……まあまあ、だな。」
「え、俺にしては目茶苦茶良いんだけど……。」
晴也は悠人の言葉を聞くと、小さく溜め息を漏らし呟いた。
「まあ、全部それなりに良いし……デートしてやる。」
「やったあ!」
晴也の言葉に、満面の笑みを浮かべる悠人。
それを見て、思わず微笑みを浮かべる晴也。
「そういえば、晴也はどうだった?」
悠人は少し気になると、首を傾げながらそう尋ねた。
晴也はあまり言いたくないのか戸惑いつつ、小さな声で言う。
「全部、平均より十数点上。」
「すっげー!晴也はやっぱ頭良いんだな!眼鏡だけに。」
悠人の言葉に少し呆れながら、晴也は眼鏡をくいっと上げる。
……悠人がその仕種にどきっとしたのは言うまでもない。
「頭の良さに、眼鏡どうのこうの関係ないから。」
「……ですよねー。」
晴也の鋭いツッコミに、悠人は苦笑を浮かべた。
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