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「まあ、何だ……。」
晴也は悠人の頭に手を置いた。
悠人はきょとんとして、彼を見つめた。
「よく頑張ったな。」
そう言うと、晴也は微笑み、悠人の頭を少し乱暴に撫でた。
悠人の顔が、だんだんと赤くなっていく。
「……何で赤くなるんだよ。」
晴也が呆れたように呟くと、悠人は瞳を潤ませながら口を開いた。
「だ、だって、晴也に褒められた!」
「……俺が褒めると泣くのか、お前は。それくらい俺が人を褒めるのは有り得ないか?」
「え!いやいや、違う!」
晴也の少しイラつきが感じられる声に怯えながら、悠人は大きく左右に首を振った。
「ただ、目茶苦茶嬉しいの!」
「……そうかい。」
拳を握り締め熱く言う悠人に、晴也は苦笑を浮かべた。
悠人は、何となく引かれていることを感じ取ると、焦って話を逸らした。
「と、とにかく!デート!楽しみだな!」
「あ?……どうだろうな。」
晴也はプライドがあってか、素直に認めず、目を逸らした。
「え、何でそんな曖昧?」
少しショックを受けた悠人だったが、ふと晴也の頬が赤いことに気付くと、満面の笑みを浮かべた。
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