26人が本棚に入れています
本棚に追加
一時間ほどかけて、悠人達は遊園地に着いた。
「晴也、晴也!まず何乗る?」
「はしゃぐなよ、ガキか。」
目を輝かせている悠人に晴也は溜め息を吐きながら言うと、キョロキョロと周りを見て、一つのアトラクションを指差した。
「……乗るなら、あれ。」
晴也が指差したのは、ジェットコースターだった。
悠人は、それを見ると晴也の手を取り歩き始めた。
「よ、よし、早く行こう!」
「ちょ、おま、離せ!」
微かに頬を赤く染めながら、晴也は悠人に文句を言う。
聞こえないフリをして、悠人はジェットコースターへと足を進める。
そんな彼の様子に、晴也は手を離してもらうことを諦めて、大人しくついていった。
ジェットコースターに乗ったあと、悠人は青くなっていた。
晴也は、ベンチにぐったりと座る彼を見て盛大な溜め息を吐いた。
「苦手なら言え、馬鹿。」
「うるさい!苦手なんて言えるわけないだろ!」
悠人の言葉に、晴也は首を傾げる。
「何で言えないんだよ?」
「……は、恥ずかしい。」
俯きながら呟く悠人に、晴也はふっと噴き出す。
「ちょ、笑うなよ!」
「だって、そんなこと気にするとか……。」
最初のコメントを投稿しよう!