2558人が本棚に入れています
本棚に追加
/140ページ
「…幸造、は瀧哉と…友達、なの……?」
「友達というか幼なじみかな?もう腐れ縁みたいな感じで気づいたらこの年までずるずると一緒にいるんだよね。
後もう1人その腐れ縁がいるんだけど今日は風邪で休んでるからまた今度紹介するね。あ、その子は不良じゃないから安心してね。」
「………ん……。ありが、とう…。」
幸造のその言葉に俺はまた小さく頷いた。
そうこうしている内に気づくとHRが終わり、周りの生徒は次の授業の準備をしていた。
俺も慌てて準備をしようとしたが、教科書をまだ貰ってなかった事に気づいた。
「有鈴、もしかして教科書まだ届いてないの?だったら僕と一緒に見ようよ。
あ、ごめんね。良かったら今日だけ席替わってくれない?」
「はっ、はい!喜んでっ!!」
「ありがとう。」
幸造はそれに気づいたのかわざわざ俺の隣の生徒に頼んで席を替わってもらい、席をくっつけて教科書を見せてくれた。
す、凄い…。教科書を2人で共有して見るなんて初めてだっ!いつもそういう事をしている人を見て、羨ましく思ってたから物凄く嬉しい…っ。
そんな些細な事と、幸造の優しさにまた涙が込み上げてきだが、流石に何度も泣くのは恥ずかしいので必死で我慢した。
そういえば、さっき幸造と替わってくれた人顔が真っ赤だったけどどうしたんだろう。
幸造の幼なじみも風邪だって言ってたしその所為かな?
さっき幸造と修慈先生も顔赤くしてたしそれも風邪か?
季節の変わり目だし流行ってるのかなぁ、なんて考えている内に一限目が始まった。
最初のコメントを投稿しよう!