◇wonder-three◇

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      俺と幸造が席に座りHRが始まると他の生徒達がちらちらと此方に目線を向けていたが敢えて気にしない事にした。 気にして目を合わせれば恐がられてまた場の収集がつかなくなる事は大体予想がついていたからだ。 HRが進む中、幸造は少しだけ俺の方に体を向け、声を潜めて話しかけてきた。 「ねぇ有鈴、さっき瀧哉に声かけられて固まってたけどもしかして《black Marchen》のメンバーだって分かったから?」 「………ん…ちょっと、びっくり…した……。」 幸造の言葉に俺は小さく頷く。 びっくりしたのも本当だが恐かったのも事実。 でもそれだけで判断してはいけない事だと先程気づき、改めて反省したからこれ以上言わないでいた。 「まぁ確かに瀧哉は族に入ってるけど何も心配する事ないよ。 あの通り明るくて人当たりが良いから周りからは高評価だし、あんな外見で学年首位独走してるからね。」 だから学級委員長も任せられてるんだけどね、と微笑みながら言葉を続けた。 良い人だと思ったけど本当に凄いんだな、瀧哉は。 幸造の話を聴いた後、俺は口を開けて間抜けな顔を晒していた。 そして今の会話から幸造が瀧哉を呼び捨てにしている事に気づき、その事を訊ねた。  
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