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千夏「おはよーございまーす」
あの事件から、ウチは麗と一緒にちょくちょくGルームに遊びに行く事になった。
麗が体調不良で居ない日も割と遊びに行く。
それは自分が夢を見ていた事。
自分でも驚くぐらいシャイなんだと判った。
だって人見知りはしない方だから。
まあ杉本も浦神も朝から居ないから基本一人か麗と二人でいるぐらいだけどさ。
遅刻、が当たり前のウチらの日常。
それは今までの自分じゃ考えられない新しい日常。
今までウチは云われた通りに過ごしてきた。父が云う事に間違いは無いと思い込み、友達も関わりないクラスメートも担任も他先生も、云われたままやれば嫌われないと思い込んでた。
自分は全然上手くいってる、と。
其れが、ストレスだったのかもしれない。
自分と云う者を考え始めた。
何の為に今までしてきたのか。自分の気持ちを隠して、おちゃらけて振る舞って。
理由は十分。其れだけで闇に飲み込まれる理由は、十分だったんだ。
羽根を伸ばして過ごせる事がこんなにも清々しいだなんて思いもしなかった。
貧血や神経性で倒れる事が多かった夏休みまでの自分。
それが今では学校が楽しくて仕様がない。
倒れる恐れ等、微塵も感じられなかった。
そんなある日。
昼に下校のウチと麗は帰ろうとしていた時、Gルーム前を通ると宮野さんがいた。
話した事なんて無い。一切関わりない人。
でも麗は知り合いだった。
何だか、もやもやした気持ちが胸を横切った。
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