鏡の中の他人

映り込む

～真っ暗な世界だった。

小さな光が、
遥か遠くに見える。

その光を目指して、
俺は歩いた。

暗闇がまるで薄い布のように、
体中にまとわりつく。

…ようやく辿り着いた光は、
長方形の窓のようだった。

こんなに光が差し込むのに、
その窓の向こうは薄暗かった。

見覚えのある、
その窓の向こうの景色。

あぁ、
確か小さい頃に住んでいた家の、
三面鏡が置いてあった部屋だ～