便利屋開店!

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「こんな感じでいいかなぁ?」 タカシがヒラヒラと出来上がったチラシをトシに見せる。 「うーん。もっと色使って目立つようにした方がいいんじゃないか?」 俺達の営業している便利屋は、庭の草むしりから、浮気調査までなんでもこなす。 例えば葬式に代行で行く事もあるし、詰まった配管を直したりもする。 前にあった依頼では車の鍵を中に忘れて、閉まってしまったドアを悪戦苦闘しながら開けた事もある。 便利屋で大切なのは、何事も諦めずに熟す根性と経験だ。 と言っても俺達はまだ始めたばかり。 俺はマコト、他には頭の回転の早いリーダーのトシ、その彼女であるキョウコ、スロプロで頭の悪いタカシがいる。 俺達四人は高校時代からの友達だが、キョウコは三つ年上で、俺達が高校生の頃は花の女子大生だった。 顔はわりかし良いのでモテると思いがちだが、性格はヒステリック。 ヒステリックキョウコと言われる事もあり、思ったほど男は寄り付かない。 トシは便利屋を立ち上げただけあって、頭がいいしキレる。 頼りがいのある俺達のリーダーである。 タカシはスロプロだが、頭はズタボロに悪い。 こんなタカシだが、とても運がよく依頼をなぜか上手く熟してしまう。 俺はまぁ、普通の一般ピープルだと思ってくれ。 何事も普通が1番だ。
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