29人が本棚に入れています
本棚に追加
男の名前は福山雅二。
なんかどっかで聞いた名前だ。
職業は古美術商。
またまた胡散臭い。
歳は32歳、横浜在住だ。
見た目はいわゆる優男。
センター分けの髪にインテリ風の眼鏡。
色白でシャープな顔立ち。
まぁ、モテる男を絵に描いたら、こうなるって感じ。
女も女なら、男も男。
お似合いだ。勝手にやってくれ。
ドラマならシティーハンターみたいな美女のために、依頼をやり遂げる。みたいな事になるが、現実はそんなものだ。
俺は携帯でタカシを呼んだ。
「はいはぁーい!ジャンジャンバリバリ出してるタカシですよぉ!」
こいつはいつも暢気にやりやがって。
「依頼だ。すぐに戻ってこい!」
「今辞めたら、この台ハイエナされちゃうよぉ。」
チッ!こいつは依頼よりスロ優先か!
「うるさい!さっさと事務所へこい!」
俺はタカシの返事を聞く前に電話を切った。
「とりあえず、今日はコイツの住所と勤め先の確認だな」
トシが言った。トシはいつも冷静に状況を判断する。
明日から尾行を始めるにしても、家と勤め先を先に把握しておけば、大体のルートもわかるし何かと動きやすくなる。
さすがトシだな。
俺達がカメラなどの準備をしていると、タカシが帰ってきた。
またしょうもない景品を取ってきたらしい。
袋から出してキョウコに渡す。
「なかなかセクシーでしょ?」
中身はなんと……ブラとパンツのセットだ。しかもかなりスケスケで、エッチな香りがプンプンだ。
「こんなの着れるか!」
キョウコがタカシに蹴りを入れる。
グェッ!
タカシが腹を抱えて、うずくまる。
キョウコはブラとパンツを持って、部屋へと行ってしまった。
おい!なんだかんだ言って着るつもりかよ。
最初のコメントを投稿しよう!