114人が本棚に入れています
本棚に追加
俺が目を覚ましたのは、暗鬼のベッドの上。
いつもと特別変わらない目覚め。
…今日の日付以外は。
「…3年…か。」
俺は呟く。
目を瞑れば、いつも浮かぶ。
あの人の、命日。
俺が暗鬼の"同志"になって知ったことがある。
あいつは、俺の兄貴の遺骨を保管していた。
まだ、"墓"という形にしないで。
それを土に埋めて、"墓"にしたのは俺。
墓参りは、その1度しかしていない。
墓の前で、俺は聞いた。
「もしもさ、俺が今裏切って、お前に銃を突き付けたら…どうする?」
俺は、暗鬼のこめかみに銃を当てるふりをした。
「お前には出来ないさ。」
暗鬼はあっさりとそれを払いのける。
「お前はもう、こっち側から抜けられない。」
嫌な笑みを浮かべて、俺に言う。
最初のコメントを投稿しよう!