招待状

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2025年 「赤津中尉!!何をしている!?そんな子供を抱えて!!」 「まだ戦わなくてはいけないんですかっ!?この戦争に意味などあるのですかっ!?」 血まみれの子供を抱えながら必死に上官らしき男に問いかけた。 「お前が闘わなければ、仲間が死ぬぞ」 仲間が死ぬぞ‥死ぬぞ‥死ぬ…死ぬ… 死…? 「はっ!?」 男は汗をびっしょりとかき息遣いまで荒くなっていた。 辺りを見渡す男 辺りには、タンスやテレビ、冷蔵庫、台所などなど 全くもって普通の貸部屋だった。 「夢か…」 彼の名は赤津 冥(あかつ めい) 20代前半の今は会社員である。 冥が見たあの夢は、一つのトラウマなのである。 冥は元軍人の中尉 2025年~26年という、たったの一年のロシア人との戦争だが、赤津 冥にはこれが酷すぎた。 戦争が終わったこの年、2029年でも 戦争の頃の悪夢が蘇るのだ。 「風呂入ろ」 冥はベッドに座り込みながら、そう呟いた。 軍人の名残なのか、丸刈り頭を指で掻きながら、風呂場へと向かった。
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