闇の底にて

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わたしは指定された十一時少し前に、待ち合わせ場所の公園に着いた。 公園といっても、ガード下の空いた土地に、申し訳程度に遊具を並べただけの場所で、昼間であってもほとんど日が射さないような暗いところだ。 そのせいか、あまりひとも寄りつかず、特にここで子どもが遊んでいるのを、わたしは見たことがない。 以前はホームレス風の男性が、ベンチに寝転がっているのを、見かけることもあったが、いつの間にかどこかにいなくなったらしく、最近はその姿を見ることもない。
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