闇の底にて
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枯れ葉の踏みしだかれる音に気づいたときには、男はわたしから数メートルの距離にまで近づいていた。 背後からの街灯の光のせいで、男の姿はシルエットとなり、顔を見分けることができない。 男は真っ直ぐにわたしの方に歩いて来る。 兄だろうか? 体型は兄に似ているようだが……。 わたしは不安に駆られ、立ち上がった。 思わず後退りしそうになったが、ふくらはぎがベンチに当たり、下がることはできなかった。
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