終章

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すべてがうまくいった。 わたしは笑い出したくなった。 もう、声を出して笑っても大丈夫。 本当に「テラサワ」の前では、笑いを堪えるのに大変だった。 わたしは「テラサワ」に初めてハンカチを見せられた日のことを思い出した。 あのときは本当に可笑しかった。 「テラサワ」のあの芝居がかった態度といったら……。 まるでドラマか何かのワルモノ役のモノマネをしているみたいだった。 何度も吹き出しそうになり、その度に唇を噛んで、なんとか笑いを抑えた。
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