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「セフィ~ナ~、ちょ~っと来てもらおうかな~。」
「なぁに、お父さん。」
にこにこ顔の父のもとへ赴くセフィーナ。
「卒業祝いのプレゼントだ。アウイナイトのネックレスな。」
「わあ、お父さんとお母さん達が着けてるピアスと同じ石よね。きれ~い。ありがとう、お父さん。」
その石の意味を知らない彼女は、綺麗なネックレスに喜び母親達に見せに行った。
「父上!俺には!?」
「お前……ネックレスが欲しいのか……?」
眉をひそめてマティアスを見るシヴァ。
「じゃなくて!俺にもプレゼントあるんだろ!?父さんと母さんみたいな神器くれよ!」
「まだ必要ねぇだろ?25になったら授けてやるよ。」
「卒業祝いにくれたって良いだろ~?セフィーナにプレゼントしたんだし俺にもくれよ~。」
ところがシヴァは首を振る。
「卒業祝いはセフィーナだけだ。お前にはなんもねぇ。」
「あっ、ひいき!ひいきしてる!父さん、父上がひいきし」
慌ててマティアスの口を塞ぐシヴァ。
「チクんなよ!追い出されんだろーが!」
子供達が産まれた日。
初めての娘の可愛さにメロメロとなったシヴァは、既に息子がいたせいもあり、娘と息子への愛情に差をつけていた。
男女の双子の孫がいたシャスタは、マルクが同じ事をして事件が起きた事を話し、愛情に差をつけるなら独りで天界に帰れと怒りを爆発させた。
その迫力と神妃達の悲しそうな顔を見て、シヴァはひいきをしないと誓ったのだ。
と言っても、やはり娘の方が可愛いので密かにひいきしている。
だが、ばらされては堪らない。
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