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その事を知っているマティアスがニッと笑って。
「だったら俺にも何かくれよ。」
「いや、だからねぇんだって。」
「やっぱチクる!」
「脅すなよ!仕方ねぇな……。ほんとのこと教えてやる。セフィーナのネックレスには念を入れてあるんだよ。」
「念?何の?」
「恋愛を破壊する念だ。成就させて堪るかってんだ。まだまだ嫁になんか出さねぇからな……。」
年頃を迎えた愛娘。
手放したくなくて、念を入れたネックレスをプレゼントしたのだ。
「ひでぇ……。父上、それは酷いと思うぞ。母上と母さんに知られたら殺されんじゃねぇの?」
「内緒にしとけ。大学卒業したら男女交際解禁だろ?イチャつくの見たくねぇんだよ。」
この家に暮らすペア達は揃ってラブラブだった。
愛の女神に認められたペアだから当然なのだが、しかもここはロサンゼルス。
愛情表現はちょっと過激である。
「けどさ~、母上達、愛を司ってるだろ?一発でバレんじゃねぇの?」
「バレねぇだろ。お前、絶対バラすなよ。」
楽観的な父親に、絶対バレるとつぶやくマティアス。
そんな母親達の所では、セフィーナが嬉しそうにネックレスを見せていた。
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