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「いてぇ!何するんだよ!」
とばっちりを受けた神々もバトルに参戦し……
「止めるぞカールッティケーヤ!」
ガネーシャとカールッティケーヤも輪の中に入る。
この二人の介入により、神々の乱闘は収まった。
「父さん、少しは癇癪を抑えて下さい……。そんな調子で下界を破壊しないで下さいよ?」
「うるせぇよ。俺に指図すんじゃねぇよ。殺すぞこの野郎。」
「殺されるのは一度で充分ですよ。」
その台詞に言い返せず、ようやくシヴァもおとなしくなった。
「まったく、シヴァのせいで宴が台無しですね。」
「当事者の貴方が言えるんですか?」
ラクシュミーがピシャリと言い放ち、立ち上がる。
「サラスヴァティー、場の雰囲気を変えましょう。」
頷き、ヴィーナーを取り出すサラスヴァティー。
美しいメロディーと美しい歌声。
神々は落ち着きを取り戻し、楽しい宴が再開する。
酔っ払いインドラとシヴァの欲求不満。
それが原因の大乱闘だったのだが……
遠くから見ていた者には分からなかった。
「すげぇ……シヴァ神……格好いい……」
初めて目にしたナタラージャの舞踊。
次いで始まった神々の演武。
神々を陶酔させる舞踊に魅入り、破壊神の戦闘に興奮した。
宴会の輪より遠く離れた末端の席。
そこに居たのはナーガの子供達。
見た目は30歳の、2歳のディノルド達だった。
初めて参加した宴会で、シヴァの舞踊と演武に心を奪われた子供達。
こうしてシヴァは彼らの憧れの人となったのである。
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