594人が本棚に入れています
本棚に追加
/401ページ
それは10歳の誕生日での出来事だった。
10年の節目という事で開かれたパーティーは━━ナイト家の屋敷全体が会場となるほどの、とてつもなく盛大なパーティーだった。
「ルアード、準備できた?」
「うん。簡単な挨拶で良いんでしょ?」
「ええ。学校のお友達も居るから10歳らしい挨拶で良いわよ。」
ふふっと笑う母親に笑顔を返し、パーティー会場へ向かう。
「お母さん、ナーガ族……どんな感じ?」
その質問に苦笑するセフィーナ。
「ナーギニーが興奮MAX状態。彼女達がルアードに会うのって今日が初めてでしょ?だから当然かも知れないけど……あはは、凄く異様な雰囲気よ。」
「チッ、面倒だな……。そんなに王妃になりたいのかよ。玉の輿を狙う女なんか願い下げだ。」
うんざりとそう呟けば。
「あら、子供らしからぬ発言ね。気持ちは分かるけど、友達が居るんだから気をつけなさいね。」
「あはは、ついうっかり。気をつけるね。」
子供らしく笑ってため息をつく。
心情を察している母親に頭を撫でられ、苦笑しながら会場へと向かった。
.
最初のコメントを投稿しよう!