お見合いパーティー

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「この顔で会話しにくいなら化身解こうか?」 下界に降りる為、人間の姿になっていた彼が気を遣う。 頷いたマリアの目の前で化身を解き、にっこり笑うジェイフレド。 化身を解いた彼は白い翼を持っていた。 翼よりもその顔を見て目を見開く。 「嘘……有り得ない……本当に……いるなんて……」 つぶやきながらジェイフレドの頬に手を伸ばす。 震える手でそっと触れ、ぽろりと涙を零した。 ここにいるのは理想の人。 夢の中の恋人だ。 彼氏が出来なかったのは夢の中の彼を求めていたから……。 いるはずのない彼を心のどこかで追い求めていたからだ。 その彼が目の前にいる。 これは夢なのか現実なのか。 分からないまま首に抱き着いて。 逢いたかったと囁き口づける。 思わず返したキスを終え、涙を流すマリアをじっと見た。 ジェイフレドにも不思議な感覚があったのだ。 初めてとは思えない彼女とのキス。 この子を知っている……? 遠い昔……何千年も昔……。 懐かしい感覚がジェイフレドを襲う。 「愛してます……。私……貴方を愛してます……。」 「え、いや、あの、な、何で……?」 突然の告白にジェイフレドが困惑する。 そんな彼の顔を見て、ハッとしたマリアが慌て出した。 隣ではガルダとディアが茫然としている。 「き、きゃあ、私、何を、ゆ、夢だと思って、ごめんなさい!」 その場から逃げ出そうとした彼女を反射的に掴まえて。 ギュッと抱き締め彼は言った。 「すごいフィット感……。何だこれ……。何か……やばい……。」 何だか分からないがこの状態が心地いい。 違和感の無い彼女の温もり。 自分の一部のような不思議な感覚……。 .
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