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スタンフォード大学を卒業した子供達を迎え、大広間にて卒業パーティーが開かれていた。
ここはナイト家。
資産家の娘として生まれた前世のシルビアが、科学や格闘の施設を盛り込んで建てた大きな屋敷である。
クレルモン。
マクファーソン。
ハウエル。
三つの人生を生きてきたシルビアは、先の二つの人生では早くに家族を亡くしていた。
そして現在の三つめの人生。
ハウエルの家に生まれた待望の女の子は、その小さな手に指輪を握っていた。
それはマクファーソンを火葬する時にシャスタが握らせた結婚指輪だった。
信心深い両親は彼女を奇跡の子と喜び、指輪に刻まれた名前を付け、二人の息子と共に彼女を溺愛していた。
16歳で前世の記憶を取り戻したシルビアに、家族達は20歳になるまで一緒に暮らして欲しいと懇願し、20歳の夏に悲しい別れをする。
ダラスからロサンゼルスへと旅立ったシルビア。
ところが、彼女を溺愛していた兄二人が後を追ってロスに引っ越して来た。
それならばと、両親を呼び寄せてナイト家で一緒に暮らす事にしたのだ。
その両親は既に他界したが、二人の兄夫婦は健在している。
彼らの子供達も大学を卒業し、もう一人、ガネーシャの息子タナトスも同じく卒業した。
今日の主役は6人の子供達。
シャスタの手料理を楽しみながら、あちこちでお祝いをしている大家族。
そんな中、シヴァが猫なで声でセフィーナを呼ぶ。
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