真 実

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下界に戻り、セフィーナ達の誕生パーティーを楽しむ。 相変わらずシャスタ神の作る料理は美味い。 イベント以外はファネット達が作る為、俺は密かにイベントを楽しみにしている。 「あら、その髪飾り見つかったの?どこにあったの?」 「あ、ママ。それがねぇ、聞いてくれる?」 こいつ、話したくてうずうずしてるな。 話したら絶対からかわれるに決まってる。 俺はそれとなくその場から離れた。 遠くから聞き耳を立てていると、女神シルビアの驚きの声が聞こえてきた。 二人の方に視線を移すと俺を見てニッと笑った。 げ……。来るのかよ……。 わざわざからかいに来んなよな……。 「ねえ、蛇のおじさん。」 「う、な、なに……。」 何を言われるのか身構えていた。 「何よその態度は。聞きたい事があるだけなのに。」 「あ、いや、つ、つい……。聞きたい事って……?」 「あれ、どこで作ったの?」 「ああ、天界で。ヴィシュヴァカルマン神に頼んで作ってもらった。」 聞いたシルビアがぽんと手を打つ。 「そっか!彼に頼めば簡単に……。きゃっ、シャスタ、デザインして~。」 パタパタ走り去る彼女を唖然と見送った。 そこへセフィーナが笑いながらやって来た。 「ママも欲しいんだって、動物のアクセサリー。型に流して作るプラスチックと違って、宝石だとデザイン通りに出来ないから諦めてたらしいわ。」 「はは、さすが動物好きだな。」 シルビアの動物好きは誰もが知っていた。 彼女が動物に向ける愛情は動物達を虜にする。 神々の乗り物である神獣も例外ではない。 あのガルダも虜になったほどだ。 ガルダを鷲として見ていた彼女から、動物に向ける愛情を受けたガルダは、男として愛されていると思い込み、既に神妃であったシルビアを愛してしまったのだ。 だがそれも今は昔の事。 そのガルダは今、彼女の孫娘ディアの虜なのだから。 .
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