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「……はぁ~」
「むぅ」
「……はぁ~~」
「ぬぅ~」
「……はぁ~~~」
「むぅ~~いい加減にため息を吐き出すのは止めるっすーー! 朝から陰気臭くてやってられないよ!!」
「そうなのだ、鬱陶しいにもほどがある!」
「あれ? 俺、ため息吐いていたか?」
俺を挟むように歩く森羅と未由が額を押さえながら深いため息を吐く。
「もう数えるのも億劫になるのだ! そのため息は昨日の私を非難するためにやっておるのか?」
「アホか、そんな陰湿なまねをするか! それにその件については昨日の夜謝っただろう? 蒸し返さないでくれよ」
「うぐ、すまぬ……少々卑屈になっておった」
「わかってくれればいいさ。 だから、そんなに落ち込むなよ森羅」
あからさまに凹む森羅の頭を優しく叩き、俺はわざとらしく笑みを浮かべる。
すると、森羅もつられて笑顔になり、鼻歌を今にも歌いだしそうなほど上機嫌になった。
なんというか、現金な奴だな。
「むぅ~~ちゃっかり森羅さんとイチャイチャしているぅ~~お兄ちゃん、私ともラブラブしてよぉ!!」
朝の通学路だというのに未由はお構いなしで抱きついてきた。
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