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「は~~い、未由ちゃん、ここは通学路のど真ん中だからお兄様に抱きつくのは止めような~~」
むぎゅ~~。
「ふにぃーー!? わかったから、おさげで一本釣りしないでぇ!!」
抱きついてきた未由のツインテールの一房を握りしめ、片手で持ち上げると未由はジタバタと暴れながら悶絶している。
「ったく、わかればよろしい」
「うぅ~~お兄ちゃんに傷物にされたっす~~」
「なんなら、そのツインテールを刈り取ってやろうか?」
青筋を浮かべながら笑顔で未由に詰め寄ると、妹は冷や汗を流しながら即座に離れた。
長い付き合いから俺が本気だってことを感じ取ってくれたらしい。
うむ、理解の早い妹で助かるな。
「ところで、結局純也が朝からため息を盛大に漏らす理由とは何なのだ?」
「ぎくっ!? べっ、ベツニナンデモナイヨ?」
こっ、このお嬢様は余計なことを聞くんじゃないわよ!
思わず心の声がお姉言葉になってしまうほど動揺してしまう。
「あぁ~~なんか怪しいっす! その片言になる動揺の仕方は何かを隠している証拠っす!」
ぐはっ、妹よ……貴様やるじゃないか……
だが、そう易々と暴露するわけにはいかねぇよ!
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