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「そうそう、純也がお熱になっている女の子について調べておいたよ♪」
「ぶっ、べっ、別にお熱になんかなってねぇよ!!」
「まぁまぁ落ち着きなよ。 君の聞きたい理由はさておき、調べることはきちんと調べたから報告させてよ」
珍しく自信ありげというか、上から目線で語る哲を後でお仕置きすることをかたく心に誓いつつ、黙ったまま頷き、話の続きを促した。
「どうやら君の探している相手は狭間渚先輩だと思うよ。 俺らより一つ上の先輩で、転入生だったみたい。 ただ、転入してきた時期が今年の2月だったらしくてね……仲の良い友人とかはまだいないみたいだよ」
ふむ、そうか……万に一つの可能性として拾った生徒手帳が別人のものという推論は打ち砕かれちまったな……狭間先輩か……
「純也、これはあくまで噂だから信じる価値はないと思うんだけどね……悪い噂も実はあるんだよ……聞くかい?」
「悪い噂?」
急に哲の表情が険しくなり、苦虫を噛み潰したかのように歪む。
「狭間先輩って評判が悪い人なのか?」
「ちょ、ちょっと純也、あくまで噂なんだから凄まないでよ! 顔怖いよッ!」
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