老人の割には肩幅の広い背中を向ける祖父さんの横暴さもいつものことと言えば、いつも通りなので俺は諦めて肩に手を伸ばす。
「はいはい、わかったよ……ん?」
「そうじゃそうじゃ、わかれば、」
メキゴキバキッ!
「たわらばぁーー!?!?」
訳のわからない絶叫が早朝の和菓子屋に木霊する。
まぁ、無理もないけどさ。
「何をさらすんじゃ小ぞ……お、う?」
怒りで茹蛸のようになったお祖父さんは憤怒の形相で振り返ったものの、そこにあったのは祖父さん以上の『怒』の表情が並んでいた。
「お父ちゃん、純也君に何をしてくれているんですかね?」
「お、お母さんや!?」
「祖父ちゃん、正直私はがっかりだぞ。 まさか身内で婿いびりをする器の小さい奴がいるなんて思いもしなかった」
「な、渚!?」
この家においてヒエラルキーのトップに君臨する二人からため息をつかれ、祖父さんは顔色を紅から一気に絶望の青へと転落させた。
「まったく若者の愛を育む時間を邪魔して悦に入るなんて嘆かわしいですよ……お父ちゃんが若かった頃は、今の渚たちの関係なんて生ぬるく思うほど熱くて、甘かったというのに……はぁ~」
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